くらしのコラム
明日は我が身!誰も住まなくなった空き家をどうすればいい?

子供が巣立った家は高齢の夫婦二人だけとなり、やがて住む人のいない空き家に…高齢化や核家族化の進行から「空き家」の問題は全国的な広がりを見せています。これは倒壊の危険があったり治安の悪化にもつながるおそれがあったりなど、決して放置できない問題と言えます。実家のある人なら誰にも起こりうるこの問題、どのような解決策があるのかアンケートで意見を聞いてみました。

【質問】空き家になった実家、使い道は…?
【回答数】
売却:45
リノベーションして賃貸:22
自分で住む:21
放置:8
その他:4
今の生活もあるし住む予定のない実家は売るしかない
アンケートでは「売却」と答えた人が一番多く、45%となっています。
・固定資産税や維持費などがかかるので空き家なら早めに売った方が良い(30代/女性/専業主婦(主夫))
・実家が遠くにあるので賃貸として運営するには人件費もかかってしまうので、売却が一番手っ取り早いと思います。(30代/女性/個人事業主)
・地方中核都市部にて居住及び、就業中であるが、実家が県外のベッドタウンにあるため。(40代/男性/派遣社員)
・放置すればいたずらの対象になることも考えられるので、それならちゃんと住んで管理してくれる人に売った方がいい(40代/男性/個人事業主)
放置して治安の悪化につながれば近隣の人に迷惑がかかるという人もいますが「売却」を選んだ人の多くは維持できない・する価値がないという意見です。実家が地方の不便な場所にあり、自分は都会に出てきて働いているという場合、まず帰って住むという選択肢はなくなります。そのうえで、住むことのない家を税金などの費用を払って所有し続けるのは無駄であるという考え方です。賃貸に出そうにも場所が遠くては管理するのも大変です。現実的には売るよりほかにないということで、半数近くの人がこの選択肢を選んでいるのは納得できるところでしょう。
リノベすれば人に貸せる!自分も住める!放置には深刻な事情が…
2番目に多かった意見は「リノベーションして賃貸」で22%、3番目は「自分で住む」が21%で拮抗しています。「放置」としたのは8%にとどまりました。
・うまくいけば家賃収入で生活することもできそうだし、自分の住む家がなくなったとしても誰も住まないようなら自分が住めばいいから。(40代/女性/個人事業主)
・人に住んでもらったほうが長持すると思うし、収入源になるからです。(20代/女性/個人事業主)
・実家に帰って、のんびり田舎暮らしをしたいですね。今住んでいる都内のマンションを賃貸に出せば、経済的にもかなり楽になります。(60代/男性/無職)
・親戚の誰が相続するかが未定な上、家屋が倒壊している。孤島なので売れもせず困っている。よって放置状態!(60代/男性/個人事業主)
家は人が住まなくなると劣化が進みます。維持するのであれば誰かが住む必要がありますが、人に貸す場合は家賃収入もさることながら、最終的に老後の住居確保になるというのも大きな意味がありそうです。反対に、現在の住居を売って実家に住むという人もいますが、これは定年退職後など転居が可能な状況にある人に限られるでしょう。放置は本来望ましいことではないのですが、相続上の問題を挙げている人がいて、問題の根深さを感じさせます。
売ればお金になるけれど残してうまく利用した方が良い場合も
「リノベーションして賃貸」と「自分で住む」を合わせると43%となり、「売却」の45%とほぼ拮抗する結果となりました。誰もいなくなった実家は売るか放置しかないと考えてしまいがちですが、手を入れることで再び価値を取り戻す可能性もあるのです。売却時の収入は一時的なものであり、維持したほうが長い目で見ると利益になる場合もあります。場所や広さ、それに老後も含めた自分の人生設計なども合わせて慎重に検討する必要があると言えるでしょう。
■調査地域:全国
■調査対象:年齢不問・男女
■調査期間:2019年03月18日~2019年04月01日
■有効回答数:100サンプル
2019.04.02