くらしのコラム
玄関ドアのリフォーム!タイミングやポイント、費用相場・補助金とは

玄関ドアは毎日使うからこそ、「最近、開閉しづらくなった」「見た目が古くなってきた」と気になることはありませんか。防犯や断熱性を考え、リフォームを検討する方も増えています。しかし「いつ工事すべきか」「費用はどのくらいかかるのか」と悩むこともあるかもしれません。本記事では、玄関ドアをリフォームする最適なタイミングや工法の選び方、費用相場や補助金について詳しく解説します。
玄関ドアを交換するリフォームのタイミングは?
玄関ドアは毎日のように利用する住まいの顔ともいえる部分です。頻繁に開閉を繰り返すことにより経年劣化が進む玄関ドアは、防犯性や断熱性の向上も目指して、リフォームを検討する方が増えています。では、玄関ドアのリフォームはどのタイミングでするのが最適なのでしょうか。交換の目安や具体的なリフォームのタイミングについて解説します。
玄関ドアの耐用年数は10~30年
玄関ドアの交換時期を考える際、まず参考にしたいのが耐用年数です。ドアの素材や使用環境によって異なりますが、一般的な目安を知っておくことで、適切なタイミングを見極められます。
金属製の玄関ドアの耐用年数は、20~30年程度と長く、耐久性に優れています。一方で、木製の玄関ドアは温かみのある風合いが魅力ですが、湿気や温度変化の影響を受けやすく、耐用年数は15~25年程度とやや短めです。これらの目安を踏まえ、リフォームの計画を立てましょう。
また、玄関ドアは外部環境にさらされるため、地域の気候によっても寿命が変わります。雨や雪の多い地域では、ドアの劣化が進みやすく、耐用年数より早めの交換が必要になる可能性があります。
鍵や錠の不具合や寒さなどが気になる時もベストタイミング
玄関ドアの耐用年数がまだ残っていても、不具合が目立つ場合には早めの交換を検討するのがおすすめです。例えば、鍵や錠の動作がスムーズでなくなり、抜き差しに手間取るようになった場合、防犯性の観点からも交換を考える必要があります。また、紫外線や風雨による色あせや塗装の剥がれが目立つと、見た目の劣化だけでなく耐久性の低下にもつながります。
また、防犯性の向上を目的としたリフォームも重要です。近年は、ピッキング対策が施された鍵や強化ガラスが使用されたドアなど、安全性を高める製品が数多く販売されています。ドアの解錠・施錠方法には、従来からの鍵穴に鍵を差し込む方法だけではなく、近年ではカードキーをかざすタイプやスマートフォンに専用アプリをダウンロードし、スマートフォンをかざすかアプリで施解錠するタイプなどもあります。家族の安全を守るためにも、防犯性が心もとないと感じた場合は、防犯性能の高い玄関ドアへの交換を検討しましょう。
玄関ドアの種類価格・リフォームの費用相場

玄関ドアはさまざまな種類の商品がメーカーから発売されており、それぞれ特徴や価格帯が異なります。リフォームを検討する際は、玄関スペースや使い勝手を考慮し、最適なドアを選ぶことが大切です。ここでは、代表的な玄関ドアの種類と費用の相場について詳しく解説します。
開き戸
開き戸は、最も一般的な玄関ドアのタイプで、前後に開閉する構造です。片開きドア、親子開きドア、両開きドアの3種類があり、それぞれ特徴が異なります。片開きドアは、一枚のドアを開閉するシンプルなタイプで、多くの住宅で採用されているオーソドックスなタイプです。親子開きドアは、通常の片開きドアの横に小さな子扉が付いたタイプで、大きな荷物の出し入れがしやすい点がメリットです。両開きドアは、左右対称に開閉するタイプで、高級感があり、広い玄関に適しています。
開き戸の本体価格は、デザインや素材によって異なりますが、一般的に10~60万円程度が相場です。工事費は10~13万円ほどが目安となります。開き戸の魅力といえば、気密性に優れている点です。ただし、開閉スペースが必要なため、玄関の広さによっては使い勝手が悪くなることもあります。また、風の強い日は、勢いよく開閉することでドアが傷つく恐れがあるため、注意が必要です。
引き戸
引き戸は、横にスライドさせて開閉するタイプのドアで、狭い玄関でもスペースを有効活用できるのが特徴です。種類としては、引き違い戸と片引き戸の2種類があります。引き違い戸は、2枚のドアが左右にスライドする構造で、日本の伝統的な住宅に多く見られます。片引き戸は、1枚のドアを横にスライドさせるタイプで、開閉スペースを最小限に抑えられます。
引き戸の本体価格は5~40万円前後で、工事費は6~30万円程度が相場です。開閉時にスペースを取らず、開閉が容易なため、力のない子どもや高齢者でも簡単に扱えます。扉を引くだけで開閉できるため、荷物を持っている時でもスムーズに出入りできるのもメリットです。なお、開き戸のようにドアが邪魔をしないため、バリアフリー住宅に最適です。ただし、開き戸に比べて気密性の面ではやや劣る点がデメリットとなります。
玄関ドアを交換するリフォーム方法・費用相場
玄関ドアのリフォームはどの工法を選ぶかによって、工期や費用が大きく異なるため、事前に特徴を理解しておくことが大切です。ここでは、玄関ドアのリフォーム方法や費用相場について詳しく解説します。
カバー工法
カバー工法は、既存の玄関ドアの枠をそのまま活用し、既存のドア枠の上から新しいドア枠をかぶせるリフォーム方法です。従来の枠を撤去する必要がないため、工期が短く、工事費用を抑えられるのが大きな魅力です。特に、現在のドア枠が比較的しっかりしている場合に適した工法で、最短1日で施工が完了するケースもあります。
また、壁を壊す必要がないため、外壁の補修費用がかからず、玄関周りの雰囲気をそのままにリフォームできる点もメリットです。既存のドアよりも若干小さくなることがあるため、開口部を狭くしたくない場合は事前にしっかりと確認しましょう。比較的手軽に玄関ドアを新しくできるため、全体の費用を抑えることができます。このため、予算が限られている場合でも、比較的手軽に玄関ドアのリフォームが可能です。
カバー工法は手軽さとコストパフォーマンスに優れた玄関ドアリフォームの選択肢として、多くの住宅のリフォームで採用されています。リフォームを検討している方は、ぜひこの工法を選択肢の一つとして考えてみてはいかがでしょうか。
はつり工法
はつり工法は、既存のドアと枠を完全に撤去し、新しいドア枠とドアを設置する方法です。枠ごと交換するため、開口部を広く確保したい場合に対応できます。ただし、カバー工法に比べると工期が長く、工事の際に外壁や玄関のタイルなどの補修が必要になるため、費用が高くなる傾向があります。特に、周辺の工事も必要になりやすいため、古い住宅やリフォームが初めての家では、見積もりをしっかり確認しておきましょう。開口部のサイズやデザインにこだわりたい方には適した方法ですが、施工期間や予算を考慮しながら慎重に検討する必要があります。
玄関ドアのリフォームをする際のポイント

玄関ドアのリフォームは、ドアを交換するだけのシンプルな工事だと思われがちですが、ドアの種類や開閉方式、設置場所のスペースなど、実は選択肢が多いリフォーム工事です。機能性やメンテナンスのしやすさ、デザイン性を考慮しながら、自宅にぴったりの玄関ドアを選びましょう。ここでは、リフォームを行う際に特に意識したいポイントについて詳しく解説します。
外観のデザインに考慮して玄関ドアを選ぶ
外壁の色や住宅全体のデザインと調和している玄関ドアを選ぶことが重要です。デザインや素材、カラーの選び方によって、住宅の印象は大きく変わります。モダンな外観の住宅にはシンプルなデザインのドアが合い、和風の住宅には木目調のドアが調和しやすくなります。また、ドアの色を外壁と同系色にすることで統一感を持たせたり、アクセントカラーを取り入れて個性的な玄関を演出したりすることも可能です。
LIXILの玄関まわりのリフォームをシミュレーションできるサービスをご紹介します。シミュレーションを通じて、さまざまなのデザインを具体的にイメージすることができます。玄関周りのリフォームを考えている場合は、シミュレーションも活用し、自宅にぴったりのデザインを探してみてください。
(参考)玄関コンシェルジュ
このように、玄関ドアのリフォームは住宅の印象を高めるだけでなく、機能性や安全性を向上させる絶好の機会です。慎重に選び抜いて、長く愛される玄関ドアを取り入れましょう。
ドアの開き方は使い勝手やスペースの広さにも考慮する
玄関ドアの開閉方式は、使い勝手やスペースに大きな影響を与えます。開き戸と引き戸のどちらを選ぶかは好みの問題だけでなく、玄関の広さやライフスタイルにあわせて選択することが重要です。
見栄えを重視する場合は、開き戸が適しています。特に親子ドアは、通常時は片開きとして使用し、必要に応じて子扉を開けることで、大きな荷物の出し入れがしやすくなるため便利です。一方、玄関スペースが狭い場合やバリアフリー対応を検討している場合は、引き戸が適しています。引き戸ならドアを開けた際のスペースを取らず、車椅子やベビーカーの出入りもスムーズに行えます。
玄関ドアの断熱性をチェックする
冬に玄関周りや廊下が冷え込む場合は、断熱性の高い玄関ドアへのリフォームを検討しましょう。ドアの断熱性をチェックする際には、材質、構造、そして気密性を考慮することが重要です。一般的に、アルミやスチール製のドアは耐久性がある一方で、断熱性能が劣る場合があります。断熱仕様のドアを選ぶことで、室内の温度を快適に保ち、冷暖房の効率が向上します。省エネ効果が期待できるため、光熱費の節約にもつながります。
特に寒冷地では、玄関ドアの断熱性能が住宅全体の快適性を左右します。気密性の高いモデルや、断熱材入りのドア、二重ガラス仕様のドアなど、高性能な製品も豊富に揃っています。住環境に合ったドアを選び、より快適な住まいを実現しましょう。
採光や防犯など機能を確認する
玄関ドアをリフォームする際は、デザインだけでなく、採光や防犯、通風といった機能性も重視しましょう。玄関に自然光を取り入れたい場合は、採光窓付きのドアがおすすめです。昼間は照明をつけなくても玄関が明るくなり、開放感のある空間を演出できます。
一方で、防犯面も無視できません。玄関は家の中でも特に侵入者のターゲットとなりやすい場所です。防犯性能を高めるためには、ピッキング対策が施された鍵や、複数のロック機能を備えたドアなど、防犯性を強化したモデルを選ぶと安心です。
また、最近ではスマートロックを取り入れることで、より高い防犯性を確保しながら利便性を向上させることも可能です。これにより、鍵を持ち歩かなくてもスマートフォンで施錠・解錠ができるため、セキュリティの強化と同時に生活の快適さも向上します。
採光と防犯を両立させた玄関ドアを選ぶことは、住まいの快適さと安全性の向上に直結します。リフォームの際には、これらの機能がどのように実現できるかを専門家と相談しながら、自分たちのライフスタイルに適したドアを選ぶことが大切です。
玄関の内装や周辺も一緒にリフォームを検討する
玄関ドアのリフォームを考える際には、ドアだけでなく玄関の内装やその周辺も一緒にリフォームすることを検討するのがおすすめです。玄関は家の顔とも言える場所で、訪れる人に最初の印象を与える重要なエリアです。ドアだけを新調しても、周囲のデザインや状態が古いままだと全体の調和が取れず、リフォームの効果が半減してしまいます。玄関ドアを新しくする際には、玄関周りの内装や外壁、アプローチ部分も一緒にリフォームすると、統一感のあるおしゃれな玄関を実現できます。
例えば、玄関ホールの壁紙やフローリングを新しくすることで、ドアの新しさがより際立ち、統一感のある空間を作り出すことができます。また、照明やインテリア小物を工夫することで、より明るく、迎え入れる人にとって居心地の良い空間を演出できます。ドアのデザインにあわせて玄関タイルを張り替えたり、門扉やポーチの雰囲気を変えたりすることで、より魅力的な空間を演出できます。
また、それぞれを別々に工事するより、一括で施工する方が工事費用を抑えやすく、工期も短縮できる可能性があります。玄関と家全体のデザインのバランスを考えながら、効率的でコストパフォーマンスの高いリフォームを検討しましょう。
マンションの玄関ドアをリフォームする際の注意点
マンションは区分所有者の全員で共有している共用部分と各区分所有者が所有している「専有部分」で構成されていますが、玄関ドアは「共用部分」にあたりますので、勝手な交換や改造はできません。そのため、ドアの交換やリフォームには管理組合の許可や申請が必須です。事前に管理会社や管理組合に相談しましょう。
玄関ドアはDIYでリフォームできる?
玄関ドアのDIYはおすすめはできません。玄関ドアのリフォームは精密な作業と正確な情報収集、十分な下準備が不可欠です。プロ並みの技術や経験、道具などが揃っていない場合は、リフォーム業者への相談・依頼が安心・安全です。
また、補助金についても断熱玄関ドアへの交換リフォームが対象の「先進窓リノベ事業」や「子育てエコホーム支援事業」は登録された事業者からでないと申請できないので、DIYでお得にリフォームしたいと思っても、コストが抑えられるとは限りません。
玄関ドアのリフォームに利用できる補助金

玄関ドアのリフォームを検討する際、補助金が気になる方もいるでしょう。ドア単独でのリフォームでは補助金を活用するのが難しくても、窓や断熱材の改修など、他の工事と組み合わせることで補助対象となるケースがあります。ここでは、玄関ドアのリフォームとあわせて活用できる補助金制度について詳しく解説します。
先進的窓リノベ事業
「先進的窓リノベ2025事業」は、住宅の省エネ化と快適性の向上を目的とした補助金制度です。この制度では、断熱窓への改修を促進し、省エネとCO2排出量削減を目指します。対象となる工事は、窓やドア※1の断熱性能向上に関する改修で、補助金は1/2相当(上限200万円)が定額で支給されます。申請はリフォーム事業者が行い、住宅所有者に全額還元されます。この補助金を活用することで、経済成長と環境への貢献を実現しつつ、快適な住環境を提供します。
※1 改修を行う住戸のドア(住宅の外皮部分にある開口部に取り付けられているものに限ります。)を、窓の改修と同一契約内で断熱性能の高いドアに改修する場合に限り補助の対象とします。
※2025年2月5日時点での情報です。期間や上限、利用条件等の規定があります。
2025/03/03追記
「住宅省エネ2025キャンペーン」のサイトが開設されました。
断熱リフォーム支援事業
断熱リフォーム支援事業は、住宅の省エネ化を目的としたリフォームを支援する制度です。家全体で15%以上の省エネ効果が見込める場合に補助金が適用されるもので、窓やガラス、断熱材の改修とともに玄関ドアを交換することで、補助対象となる場合があります。
2025年度の公募開始は2月中旬を予定しており、早めの計画が求められます。ただし、補助対象となるリフォームの要件は細かく設定されているため、申請前に確認が必要です。
※2025年2月5日時点での情報です。期間や上限、利用条件等の規定があります。
参考:【全国対象】既存住宅の断熱リフォーム支援事業|公益財団法人 北海道環境財団
介護保険の高齢者住宅改修費用助成制度
介護保険を活用した住宅改修費用助成制度は、高齢者が安全に暮らせる住環境を整えることを目的とした制度です。要支援・要介護認定を受けた方が対象となります。バリアフリー化のためのリフォームに対して対象工事費用(上限20万円)の7~9割の補助金が適用され、玄関ドアのみの改修でも、段差の解消や引き戸への変更などの工事が対象となることがあります。
この制度は、補助を受けるためには要介護認定などの手続きが多いため、リフォームのスケジュールに余裕を持って進めることをおすすめします。
※2025年2月5日時点での情報です。期間や上限、利用条件等の規定があります。
参考:住宅リフォームの支援制度 ※令和6年5月2日時点|国土交通省
子育てグリーン住宅支援事業
子育てエコホーム支援事業に代わり、新たに設立された制度が「子育てグリーン住宅支援事業」です。省エネ性能の向上を目的とした住宅リフォームを支援するための補助金制度です。この制度を活用するには、開口部の断熱改修、躯体の断熱改修、エコ住宅設備の設置という3つの工事のうち、2つ以上の工事を実施することで適用されます。玄関ドアのリフォームは「開口部の断熱改修」に含まれるため、他の要件を満たせば補助対象となります。
※2025年2月5日時点での情報です。期間や上限、利用条件等の規定があります。
参考:子育てグリーン住宅支援事業について|国土交通省
まとめ
玄関ドアのリフォームは、住宅の印象を大きく変えるだけでなく、断熱性や防犯性を高め、使い勝手を向上させる重要な工事です。適切なタイミングで、機能性とデザインのバランスを考えながらリフォームを行うことで、快適で安心な玄関空間を実現できます。
リフォーム成功の鍵は、信頼できる施工業者を選ぶことです。実績が豊富で、的確なアドバイスを提供できる業者に依頼すれば、安心して工事を進められます。
玄関ドアのリフォームを検討する際は、豊富な実績を持つアイフルホームに相談するのもおすすめです。各家庭のニーズにあわせた最適な提案を受けられるため、希望や疑問点があればお気軽にお問い合わせください。
2025.03.03
3つの断熱リフォーム