小上がり和室とは?メリット・デメリット・リフォーム事例などを紹介

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小上がり和室とは?メリット・デメリット・リフォーム事例などを紹介

小上がりとは、部屋の床よりも段差を設けて、一段高く作られたスペースのことです。小上がりに畳を敷いて和のスペースにする事も多く、この空間は、さまざまな用途で使用でき、近年、導入する方が増えています。本記事では、小上がり和室の導入を検討中の方に向けて、小上がり和室のメリット・デメリットについて解説します。さらにリフォーム事例や設置する際のポイントについても紹介します。

小上がり和室とは?畳コーナーとの違いは?

小上がり和室とは、床面に高さを設けて作られた和室や畳コーナーのことで、一般的にリビングの一角やLDKに繋げて配置されるケースが多いです。
床の高さはリビングの床より30~40cmほど高く、この段差をいかして腰掛けや収納スペースなど、さまざまな用途で使えます。
畳コーナーは床面とフラットに設けられる場合もありますが、あえて床面より高くする場合にはフローリングの場合にも小上がりやスキップフロアと言います。
小上がり和室は落ち着いた雰囲気があり、どのような家にもなじむことから、注文住宅で新築する場合だけでなく、リフォームで取り入れる方が増えています。

小上がりの和室があるメリットとは?

小上がり和室には一般的な和室にはない、さまざまなメリットがあります。小上がり和室ならではの家づくりのメリットについて詳しく解説します。

空間が立体的になる

リビングよりも一段高いことに特徴がある小上がり和室を設けることで、部屋に立体感が生まれます。変化に富んだ空間はおしゃれな雰囲気を演出でき、一般的なフラットなリビングとは異なる個性的な印象を作り出します。また、床の高さに変化があることで視覚的な奥行きが生まれ、リビング全体が広く感じられるのも魅力です。特に趣のある小上がり和室は、和モダンなリビングはもちろんのこと、現代的でスタイリッシュなリビングとも相性が良く、洗練されたくつろぎ空間を実現できます。

広い用途に使える

小上がり和室は多彩な使い方ができるのもメリットです。まず、畳の上で座ったり、横になって寝転んだり、くつろぐスペースとして利用しつつも、リビングが近いため家族とコミュニケーションが図れます。一般的な和室と異なり、段差があるので立ち座りがしやすく、大人の休憩スペースに最適です。

また、子どものいる家庭では、大人の目が届きやすい小上がり和室は、お昼寝、遊び場として使えます。もちろん、洗濯物をたたむ、衣類にアイロンをかける、家計簿をつけるといった家事スペースとしても使いやすいです。さらに和室の落ち着いた雰囲気から、仕事部屋や子どもの勉強部屋、読書スペースとして書斎のように使う人もいます。ほかにも客間として来客時の宿泊スペースとしても使用可能です。

このように小上がり和室は、家族構成に関係なく、さまざまな用途で使えるところが魅力です。もともと和室がない間取りでも、小上がりを取り入れることで、限られた空間を有効活用しながら、和の落ち着いた雰囲気をプラスできます。

リビングに収納を増やせる

小上がり和室は、段差を用いて収納スペースが作れます。そのため、リビングの収納を増やせるのも一般的な和室にはできないメリットです。たとえば、段差部分を引き出し収納にすれば、リビングや小上がり和室でよく使う書類や子どものおもちゃ、掃除道具、洗濯用品などを収められ、リビングがすっきり片付いた印象になります。 また、和室の広さによっては、季節限定で使うものや普段使わない来客用布団などの大きなものを収納するのに最適です。このように小上がり和室によって家の収納力がアップするため、収納不足に悩む方にもおすすめです。

ホコリが入りにくい

リビングは人の出入りが多く、家族がいる時間も長いため、ホコリやゴミがたまりやすい場所です。しかし、小上がり和室の上は、段差によってホコリが入りにくいため、リビングの中でも比較的清潔な空間を保ちやすいです。そのため、洗濯物をたたむ、アイロンがけをする、子供の昼寝をさせる場所として安心して使えます。特に間仕切り扉のある小上がり和室なら、よりホコリを入りにくくすることができます。

リビングが落ち着いた雰囲気になる

リビングに小上がり和室を設けると、フローリングのリビングとは異なる、独特の落ち着いた雰囲気が生まれます。畳の床に加えて障子を取り入れれば、さらに和の趣が感じられます。このように小上がり和室は、リビングの印象を一新したいときにぴったりです。また、畳はフローリングの床に比べて衝撃吸収性に優れ、冷えや疲れを感じにくく、フローリングの床よりもリラックスできる方も少なくありません。

小上がり和室のデメリットとは

小上がり和室は独特の魅力を持つ空間ですが、設置にあたり考慮すべきデメリットも存在します。ここでは、後悔しないように代表的なデメリットを3つ紹介します。

転倒や落下のリスクがある

小上がり和室は、リビングの床に段差を作るため、高齢者の転倒や赤ちゃんの落下といったリスクがあります。また、あえて段差のある設計になりますので、バリアフリー化したい場合には撤去する必要があることもデメリットになります。ただし、小上がり和室付近にクッション性のあるマットを敷いたり、段差を解消するためにスロープや手すりを設けて対応したりすることで、転倒や落下のリスクを下げることが可能です。

お掃除ロボットが使えない

お掃除ロボットが使えないことも小上がり和室のデメリットのひとつです。小上がり和室の段差はそれなりにあるので、お掃除ロボットでは越えられません。したがって、小上がり和室の掃除は、お掃除ロボットを持ち上げて使うか、掃除機やほうきを使って掃除する必要があります。

リビングが狭く感じられる可能性もある

小上がり和室を設けることでリビングが広く感じることもあれば、逆に狭く感じる場合もあります。リビングの広さや天井の高さ、小上がりの高さ、和室の大きさ、位置などが影響し、視覚効果で手狭に見えることがあるためです。また、家具や高さのある家具は存在感があるため、小上がり和室に設置するとその存在感が強調され部屋が狭く感じる原因になります。特にリフォームで小上がり和室を設置する場合には、家具の配置も含めてシミュレーションし、確認することが重要です。

小上がり和室は後付けで設置できる?

小上がり和室は後付けできる

小上がり和室は注文住宅を新築で建築する際やリフォーム会社に設置を依頼する以外にも、メーカーの既製品を利用したり、DIYで後付けする方法があります。

既製品の利用やDIY

小上がり和室は、「高床式ユニット畳」や「畳付きの収納」といった名前で、既製品が販売されています。このような既製品は、必要な大きさや個数を購入し、組み立てれば簡単に設置できます。既製品はリフォームのような大がかりな工事が必要なく、費用を抑えて気軽に設置できるのが魅力です。また、リフォームと異なり、小上がり和室が固定されていないので、配置換えや別の部屋への移動、撤去もスムーズにできるので、賃貸やマンションの場合でも設置できます。
ただし、販売店によっては部屋の大きさに合わせたオーダーメイドを行っているところもありますが、多くの販売店では既製品のみのためサイズが限られ、設置したい場所とサイズがぴったり合わないことがあります。

小上がりはDIYできる?

ずばり小上がりはDIYでも作れます。作り方は、角材などを使って土台を組み立て、その上に畳や板、マットを敷くだけです。床下の収納スペースに収納ボックスや引き出しを入れれば、収納を増やすことも可能です。さらにもっと簡単に作りたいなら、土台に木製のパレットやカラーボックスを使う方法もあります。手づくり感が出てしまいますが、どちらも置いて固定するだけなので短時間で完成します。DIYによる小上がりは、材料の調達や組み立てに手間と時間はかかりますが、低コストでも小上がりの空間を作り上げることが可能です。

小上がり和室のリフォーム事例

前述したように小上がりは既製品やDIYでも設置できますが、見た目が美しく丈夫な理想の小上がり和室を設けたいなら、やはり住宅会社のプロに任せられるリフォームがおすすめです。ここでは、小上がり和室のリフォーム事例を通じて、その魅力を紹介します。

心地よく使い勝手の良い間取り

青森県のS様邸では、全面リフォームにより、使い勝手の良い間取りを実現しました。小上がり和室のリフォームでは、リビングとの一体感を保ちつつ、ほどよい独立性を確保しました。畳は縁のない半畳タイプの琉球風畳を採用し、見た目も美しく、従来の和室とは異なる現代的な雰囲気を醸し出しています。また、奥にはカウンターデスクを設け、仕事や読書などがしやすいつくりになっています。窓は縦に長いスリット窓を採用することで、空間を広く見せる効果が期待でき、さらに外から室内が見えにくいので、採光をとりつつプライバシーの確保ができます。

心地よく使い勝手の良い間取り|アイフルホーム

平屋で過ごす家族を感じる家

山形県のN様邸は、新築同様の性能を目指して平屋のリフォームを行いました。もともと和室だったところは増築し、広めのリビングにして小上がり和室を設けました。和室の畳には縁のない半畳タイプの琉球風畳を採用し、畳の色をリビングのフローリングの色に合わせたことで、統一感のある空間に仕上げています。また、和室の照明にダウンライトを採用し、ダイニングテーブルと色味を合わせたローテーブルや低めのサイドボードを使うことで、おしゃれで開放的な空間作りに成功しています。

平屋で過ごす家族を感じる家|アイフルホーム

小上がり和室で失敗しないためのポイント

小上がり和室で失敗しないためのポイント

小上がり和室を作る際には、以下の3つのポイントに注意が必要です。

広さや高さ

小上がり和室を設置する際は、和室の広さと小上がりの高さについてよく考える必要があります。小上がり和室の一般的な広さは3~4.5帖で、3畳は座卓を置いて対面で大人2人が座れる程度の広さしかなく、布団を敷いて使う場合には最低でも4帖程度は必要です。このように和室は広さがないと使い勝手が制限され、逆に広すぎるとリビングが狭くなります。そのため、和室の広さは和室の使用用途とリビングの大きさを考慮して決めましょう。

また、小上がりの高さも使いやすさに影響します。小上がりの高さは床から30~40cmが一般的です。高さが10cmより低いとつまずきやすくなり、収納スペースの確保も難しくなりますが、高さが30~40cmあれば、腰をかけるのにもちょうどよく、収納スペースもしっかり確保できます。ただし、天井との高さに注意が必要です。特に身長の高い方が家族にいる場合、和室の天井が低く使いにくいことがあります。さらに、広さや高さは収納スペースにも影響するため、慎重に決めましょう。

間仕切り扉の有無

小上がり和室を設置する際は、間仕切り扉を設けるかどうかも考えなければなりません。ふすまや障子、ガラス扉などの間仕切り扉があると、和室が個室になるのでプライバシーが保たれ、リビングからの音もある程度シャットアウトできます。そのため、寝室や客間などに使いたい場合には、間仕切り扉があると便利です。一方、間仕切り扉を設けない場合、リビングとの一体感が増して開放的になりますが、リビングの音がダイレクトに伝わり、プライバシーの確保もできません。

なお、ふすまや障子などの建具でなくても空間を仕切ることは可能です。たとえば、ロールスクリーンを使えば、見た目もすっきりで圧迫感が少なく、ふすまほどではないですがプライバシーも保てます。また、小さなお子さんがいる家庭では、安全面を考慮し、チャイルドフェンスを設置できるかどうかも事前に検討しておくと安心です。このように間仕切り扉も小上がり和室の使い方次第で必要か不要かが決まるため、十分に検討したうえで決めましょう。

収納

小上がりの収納

小上がり和室の段差は収納スペースとして活用できます。しかし、和室の広さや小上がりの高さによっては「思っていたよりも収納力がない」といった失敗につながりかねません。収納を設置するにはその分費用がかかるため、広さや高さと一緒に、何を収納したいかを事前に考えることが重要です。

また、既製品の小上がり和室の収納には主に引き出しタイプ、天面開口タイプ、跳ね上げタイプの3種類があり、それぞれ使い勝手が異なります。引き出しタイプは、小上がりの段差部分の側面に引き出し収納があるものです。小上がりの上に人がいても、物の出し入れができるので、リビングや小上がり和室で使う物の収納に便利です。ただし、物を出し入れする度にしゃがむ必要があり、奥の物が取り出しにくいというデメリットがあります。

天面開口タイプは、小上がり和室の畳部分がふたになっており、それを持ち上げて下のスペースに物が収納できる商品です。一方の跳ね上げタイプは、ガス圧式のダンパーを使用して畳のふたを上げます。どちらのタイプも開け口が広いため大きい物を収納するに便利です。しかし、2タイプとも、物の出し入れの際に畳を上げるため、畳の上に物が置いてあると開けられないのがデメリットです。なお、商品によってはリビング側に引き出しタイプ、奥側に天面開口タイプもしくは跳ね上げタイプを組み合わせられるものもあり、ライフスタイルや使用用途に合わせて選ぶことが重要です。

和のテイストを取り入れるリフォームを

リビングの一角に高さを設けた小上がり和室は、和のテイストを取り入れた空間として、新築住宅はもちろんのこと、リフォームでも近年多く取り入れられている注目のスタイルです。既製品を後付けしたり、DIYで作ることもできますが、美しい仕上がりで丈夫な小上がり和室を作るなら、やはりリフォームでの設置がおすすめです。

新築契約実績18万棟を誇るアイフルホームのリフォームでは、確かな技術力と豊富なノウハウをいかし、お客様のライフスタイルに合った快適なリフォームをご提案します。小上がり和室の設置をご検討の方は、ぜひアイフルホームのスタッフにご相談ください。

2025.03.03

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