くらしのコラム
サンルームは後付けが可能?メリット・デメリット・設置のポイント

サンルームは、日光を取り入れて生活の質を高める空間であり、後付けでの設置も可能です。洗濯物干しやリラックススペース、屋内ガーデニングなどに利用でき、持ち家のリフォームを考えている方におすすめです。本記事では、サンルームを後付けするメリットやデメリット、設置時の注意点を詳しく解説します。ぜひ参考にしてみてください。
サンルームは後付けが可能!
サンルームは、室内に豊かな日差しを取り込めるよう設計された心地よい空間です。ウッドデッキやベランダなどに後付けで設置可能で、洗濯物干しやリラックススペース、屋内ガーデニングといった多様な用途に活用できます。また、天候に左右されずに過ごせるので、雨の日でも安心して洗濯物を干すことができ、寒い季節でも暖かい日差しを楽しめるのが魅力です。
サンルームの増設は、快適で機能的な空間を作り出して生活の質を高めることができます。
ただし、サンルームの後付けは「増築工事」として扱われるため、建ぺい率や容積率を守らなければなりません。後付けする際には、この点に注意が必要です。
サンルームは1階に設置したり、2階のバルコニー(ベランダ)に設置することもあります。
サンルームとテラス囲いの違い
サンルームは、コンクリート基礎の上に屋根と側面をガラスで囲んだ増築空間で、気密性・水密性が高く、年間を通して快適に使用できます。
一方、テラス囲いは、テラス屋根の柱と補助柱で支えられた簡易的な構造で、屋根にはポリカーボネート、側面はガラスが用いられることが一般的です。
施工期間が短く費用も抑えられますが、完全な密閉空間ではないため、軽い風雨をしのぐ程度の機能にとどまります。そこで、洗濯物干しや一時的な遊び場としての利用に適しています。
サンルームとガーデンルームとの違いとは
ガーデンルームとサンルームはどちらもガラス張りの空間で、日差しを取り入れながら開放感を楽しめます。明確な違いはありませんが、ガーデンルームは折戸パネルを全面開放できることが多く、より外の空間と一体化させやすいのが特徴です。
サンルームが「家の延長」として、より居住空間に近い形で作られるのに対し、ガーデンルームは「庭の延長」として、自然を感じるリラックススペースとして設計されることが多く見られます。
どちらも快適性を重視した空間ですが、施工会社やメーカーによって仕様が異なるため、名称だけで判断せず、具体的な施工内容を確認することが大切です。
サンルームと似たコンサバトリーとは
コンサバトリー(Conservatory)は、イギリスの伝統的な住宅に見られる、屋根や壁がガラス張りの多目的スペースです。もともとは18世紀に、南国から持ち帰った果物や植物を保存・育成するための温室として生まれました。
現在では、リビングやダイニングの延長として使用されたり、自然を感じられるガーデンルームとして親しまれたりしています。サンルームと似ていますが、コンサバトリーは庭に大きく張り出して設計されることが多く、広い空間を確保できるのが特徴です。また、エアコンを設置して一年中快適に過ごせる仕様にするケースもあります。
サンルームを後付けするメリット

サンルームの後付けは、住まいに快適な空間をもたらすリフォームのひとつです。自然光をたっぷり取り入れられるため、室内が明るくなり、暮らしの幅が広がります。ここでは、サンルームを後付けすることで得られるメリットを紹介します。
天気を気にせず洗濯物を干せる
サンルームは、天候に左右されずに洗濯物を干せる便利な空間です。雨の日でも濡れる心配がなく、風通しが良いため、室内干しよりも乾きやすい特徴があります。
また、屋内スペースとして花粉や虫の影響を受けにくく、外干しが難しい季節でも安心して洗濯ができます。特に、花粉症の方や共働き世帯にとって、家事の負担を軽減する心強い設備となるはずです。
さまざまな用途に活用できる
サンルームは、工夫次第でさまざまな用途に活用できるスペースです。例えば、子どもが外に出なくても遊べるプレイルームや、ガーデニングを楽しむための温室としても適しています。ペット専用のスペースとしてもおすすめです。屋内でありながら外の景色を楽しめるため、日向ぼっこやリラックスにも適した環境を提供できます。
さらに、サンルームを後付けすれば、新しい趣味のスペースを自宅に作れます。家具やインテリアを工夫すれば、おしゃれでリラックスできる空間となり、真夏や真冬でも快適に過ごせます。
隣接する部屋の断熱効果を高められる
サンルームを設置すると、屋内と屋外の間にクッションとなる空間が生まれ、隣接する部屋の断熱効果が向上します。これは、サンルームが熱の伝導を抑える役割を果たし、室内の熱を逃がしにくくするためです。
特に冬は、外気の冷たさが直接室内に伝わりにくくなることで、暖房効率が向上します。ただし、サンルームが住宅全体の断熱性を大幅に改善するわけではないため、その効果を最大限に活かすには、窓や壁の断熱性能とのバランスも考慮しなければなりません。
光熱費を抑えられる
サンルームによって隣接する部屋の断熱効果が向上すると、冷暖房の効率が良くなり、結果的に光熱費の削減につながる可能性があります。冷暖房の使用頻度が減れば、電気代やガス代などの光熱費も大幅に節約することが可能です。
冬は外気の冷たさを和らげて暖房の効率を高め、夏は日差しのコントロール次第で冷房の負荷を軽減できます。ただし、ガラス張りなので日射熱がこもることもあり、遮熱カーテンや換気機能を活用して適切な温度管理をすることが大切です。
サンルームを後付けするデメリット

サンルームの後付けには多くのメリットがありますが、一方で注意すべき点もあります。ここでは、サンルーム後付けがもたらすデメリットについて解説します。
外気温の影響を受けやすい
サンルームはガラス張りのため外気温の影響を受けやすく、夏は室温が上がり、冬は冷え込むという特性があります。そこで、快適に過ごすには温度調整の工夫が必要です。
具体的には、隣接する部屋の冷暖房を活用したり、サーキュレーターで空気を循環させたりすることで、室内の温度差を和らげられます。また、夏の強い日差しを防ぐために、シェードやルーフカーテンを設置する、近くに落葉樹を植えるなどの対策も効果的です。
南向きの住宅では、とりわけサンルームの温度管理に注意が必要です。日光や気候の影響を受けやすいため、断熱性の高いガラスを採用するなどの工夫を講じることで、一年を通じて快適な空間を保てます。
固定資産税が発生する
サンルームを後付けすると、固定資産税が増額する可能性があります。これは、サンルームが居住スペースとして扱われ、建物の延床面積が増えるためです。建築確認申請を受けていないリフォームの場合には固定資産税の課税対象外となる可能性もあります。
また、固定資産税の変更に伴い、不動産登記の修正申請が必要となる場合もあります。具体的な増税額は、サンルームの広さや自治体の課税基準によって異なりますが、例えば5~6畳程度のサンルームでは、年間1~2万円程度の固定資産税増加が見込まれることもあります。
サンルーム設置の前には、自治体の税務課へ確認するなどして、どの程度の負担増になるかを把握しておくことが重要です。
設置場所によっては目隠しが必要になる
サンルームはガラス張りのため、設置場所によっては外からの視線が気になる場合があります。特に、道路沿いや隣家が近い場所に設置すると、プライバシーが確保しづらくなるかもしれません。
この場合、対策として目隠しフェンスやカーテンを取り入れると効果的です。また、防犯面を考慮し、防犯フィルムを使用するのも有効な方法です。
サンルームを洗濯物干しスペースとして使う場合は、特に通行人の視線を遮る工夫が欠かせません。設置場所やデザインを慎重に選び、必要に応じて目隠し対策を行うことで、快適な空間を維持できます。
サンルームのリフォーム事例
実際のリフォーム事例を紹介します。静岡県のあるご家庭では、築年数が経過した中古住宅の天窓やバルコニーが雨漏りし、悩みの種となっていました。そこで、リフォームによって壁と窓を設け、開放的なサンルームへと改修しました。
このリフォームの大きな目的は、住まいの快適性を向上させることです。そのため、サンルームには大きな窓を設置し、自然光がたっぷり入る明るい空間を実現。バルコニー時代の雨漏りの問題を解消しつつ、家全体の居住性も大きく向上しました。
新しく生まれ変わったサンルームは、洗濯物を干すスペースとしてはもちろん、家族がくつろげるスペースとしても活用できます。将来的にはハンモックを設置し、昼寝や読書を楽しむ空間としての利用も想定されています。さらに、家族でのバーベキューなど、多様な用途で活用できる理想的なスペースになりました。また、サンルームの隣には娘さんとお孫さんの部屋があり、家族全員が安心して過ごせる環境も整えられています。
今回のリフォームによって、家の価値が向上しただけでなく、家族の生活の質も大きく向上しました。快適な住まいで、家族の絆もより一層深まることでしょう。
サンルームのリフォーム費用相場

サンルームのリフォーム費用は、一般的に45〜200万円が相場とされています。実際の価格は広さや使用する素材、追加するオプションによって大きく変わります。例えば、1〜4畳ほどの小さいサンルームなら、80万円以下で収まることが多いでしょう。
価格はサンルームの広さだけでなく、サッシや床材、屋根の形状、材質にも影響されます。例えば、アルミ製のフレームよりも木製フレームのほうが高額になり、屋根を断熱仕様にすると追加費用がかかることがあります。予算に応じて最適な選択をすることが大切です。
また、使用目的に合わせてオプションを追加すると、費用が上乗せになりますが、より便利で快適な空間にすることもできます。
・物干し台、竿かけ
・日よけ、カーテン
・換気扇
・LEDライト
サンルームを後付けするときの注意点
サンルームを後付けする際には、設置場所や予算に加えて、建築基準や家の保証、周囲の環境なども考慮する必要があります。これらをしっかりと把握することで、長期的に快適な空間を作り上げられます。以下の注意点を押さえて、失敗を避けましょう。
設置の目的を考える
サンルームの後付けにあたって、まず設置の目的を明確に考えることが重要です。洗濯物を干すだけならテラス囲いで十分ですが、部屋として利用するなら居住性や快適性も考慮する必要があります。サンルームは多用途に利用できるため、初めから厳密に用途を決める必要はありませんが、後から用途に合わせた使い方ができるかどうかを考えておきましょう。
また、使用目的が明確であれば、最適なサイズやオプションを選びやすくなります。家事や生活の動線を考慮し、リビングと庭の連携が取れる場所を選ぶと、より快適な空間が実現します。
建ぺい率を確認する
サンルームを設置する前に、建ぺい率を必ず確認しましょう。建ぺい率とは、敷地面積に対する建物の面積の割合で、地域ごとに制限が設けられています。上限を超えると、建築許可が下りません。
建ぺい率の計算式は以下の通りです。
【建ぺい率(%)=建築面積(㎡) ÷ 敷地面積(㎡) × 100】
例えば、敷地面積が200㎡で建築面積が120㎡の場合、建ぺい率は60%です。
サンルームも建物の一部として、建ぺい率に影響します。増築の際には建ぺい率を超えないように注意が必要です。ただ、正確な算出は難しいため、専門業者に相談することをおすすめします。
家の保証に影響が出ないか確認する
サンルームを設置する際は、家の保証に影響を与えないか確認することが重要です。施工時に壁や床に穴を開けると、保証が無効になる可能性があります。そのため、住宅を建てた業者へ連絡し、保証に影響がないかを確認しましょう。
特に外壁に干渉する場合は、断熱性能や防水性に影響が出ることがあり、慎重な対応が求められます。安心して工事を進めるためには、リフォーム会社とともに最適な方法を検討し、サンルームを設置するのがおすすめです。
DIYではなく業者に依頼する
サンルームを設置する際は、DIYではなく専門的な業者への依頼がおすすめです。DIYで設計から設置まで行うのは大変な労力がかかり、無理に作業を進めると家の劣化を招く恐れがあります。
外壁の素材に合わない設置は、雨漏りや内部構造の損傷の原因にもなります。大規模な工事には高い技術が求められ、DIYでは難しい場面も多いでしょう。金額を抑えるためにDIYを検討する方もいますが、安全性や品質の確保を考慮すると、経験豊富な専門業者に依頼するのが安心かつ確実です。
おわりに
サンルームは後付けで設置でき、天候に左右されず洗濯物を干したり、リラックススペースとして利用したり、ガーデニングを楽しんだりと、さまざまな用途に活用できます。ただ、快適な空間を作り出す一方で、設置には注意すべき点もあります。設置を検討する際は、メリットとデメリットをしっかりと理解し、信頼できる施工業者に相談することが重要です。
アイフルホームは経験と実績が豊富にあり、お客様に最適なサンルームの設置をサポートします。また、フランチャイズ制による地元密着のサービスや、リフォーム保証制度もあるので、安心して相談できます。
2025.03.03